武道の現場では、よくこんな光景を目にします。 指導者たちは、身体が大きかったり運動神経が良い子供たちを見つけると目を輝かせてこう言うのです。 「○○をやれよ!そんなに身体が大きくてもったいない!きっと強くなるぞ!」と・・・。 気持ちはわかります。ただ、私はこういった現状には不満でした。武道・武術の本来の意義からして、本当は弱い立場の子供たちにこそ声を掛けてやるべきだと思うからです。 なぜなら、強い人達に弱い人々が勝つための創意工夫の結晶が武道・武術だからです。 少なくとも「人間教育」などという看板を掲げるならなおさら、強い弱いに関係なく、その子にそれが必要ならば声をかけてやるべきだと思うのです。 この例のように、対外的には「人間教育」を謳いながら、実際には「試合・勝負に勝つ」という事が価値観の中心にあるような競技偏重の武道等が広まっている中で私は「本当に“武”は人間教育になるのか?」という疑問を持っていました。 そしてその答えを探すために、この武識塾をはじめることにしたのです。 しかし私は何かのチャンピオンでも、道を極めた達人でもありません。皆さんと同じ普通の人間であり皆さんと共に成長していきたいと思っています。そんな私が主宰として指導に当たる心苦しさもありますが、是非この武識塾にご参加いただき、共に稽古できることを願っています
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